劇場版「鬼滅の刃」が記録的なヒットを更新！その人気のひとつが煉獄と人喰い鬼・猗窩座との戦いだと思います。今回の映画では強烈な悪役の印象しかありませんが、猗窩座にも人間から鬼になってしまった悲しい過去があるのです。その背景を知ればもっと劇場版が楽しめますよ。
劇場版「鬼滅の刃」の楽しみ方は鬼の背景を知ること
劇場版「鬼滅の刃」無限列車編が記録的なヒットを連日更新！
過去最高の興行収入300億円をたたき出したジブリ映画「千と千尋の神隠し」の記録を更新すべく
”煉獄杏寿郎を300億円の男にしよう”とファンの間では盛り上がっていますね。
煉獄と戦う人喰い鬼・猗窩座（あかざ）との死闘は劇場版「鬼滅の刃」の大きな見せ場のひとつ。
「鬼滅の刃」の魅力のひとつに、敵役の鬼の人間だった頃の切ない背景が物語に深みを与えているのですが、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編での猗窩座の背景は原作漫画では後半以降のエピソードになります。映画では、憎たらしい猗窩座ですが、人間だった頃のエピソードは少し切ないのです。なぜ、人間から鬼になったのか？その背景を知るとより物語の奥深さを感じることができますよ。
鬼にも、すぐに殺される底辺の鬼から鬼舞辻無惨までいろいろあります。
「12鬼月」は普通の鬼とは比べ物にはならないくらい強い鬼です。
「12鬼月」でも上弦の鬼と下弦の鬼に分かれていて、下弦の鬼は入れ替わりが激しいですが、上弦の鬼の強さは別格で過去200年以上そのメンツは変わっていません。上弦の鬼は、鬼の世界の「柱」のような感じでしょうか。
そして、無惨の血を分けてもらい、それに順応することができた鬼は強力な力を持つことができるので鬼たちは無惨の血を欲しがります。
劇場版「鬼滅の刃」無限列車編にメインで出てくる人喰い鬼・魘夢（えんむ）は無惨の血を分けてもらったことで下弦の壱番に昇格した鬼です。
でも、この魘夢（えんむ）には同情の余地なし！
他の下弦の鬼たちが無惨たちに粛清されるのをわくわくと夢見心地で観ていたし、最期になっても相手のせいにしたり、不満を言い続けるという往生際の悪さでした。
こんなどうしようもない鬼もいますが、猗窩座の場合は違います。
「鬼滅の刃」煉獄と戦った猗窩座の悲しい過去
劇場版「鬼滅の刃」無限列車編で、魘夢が鬼滅隊に敗れた後に登場した上弦の鬼の「猗窩座」。
全身に紋様のような刺青を施し、紅梅色の短髪の青年の鬼で圧倒的な強さを誇ります。
炎柱の煉獄杏寿郎の強さを認め、鬼になってその強さを更に極めようと勧誘した「猗窩座」は人を喰うことよりも自分の武芸を鍛錬することを重視する武道家で無惨からの信頼も厚い。
でも、人間に対しては煉獄のような強者は敬うけれど、炭治郎のような弱い人間には見下した態度をとる傲慢さも持っています。
そんな「猗窩座」は数百年前「狛治（はくじ）」という名前の人間でした。
狛治の家は貧しく、病気の父親の看病をしながら、薬代や滋養のある食べ物代を手に入れるためには盗みをするしかなかったのです。何度もつかまり、腕にはスリを示す刺青を3本入れられ、大人でさえ音を上げる拷問を受けても父親の病気を治すためなら耐えることができました。ところが狛治が捕まっている間に、愛する父親は自分のために犯罪に手を染める息子を悲観して、首つり自殺を図ります。息子にまっとうな人生を歩んでほしいと願いながら・・・
父を失い自暴自棄になっていた狛治はある日、武術道場の主・慶蔵に拾われます。娘の恋雪は身体が弱く、母親は娘の看病疲れから自殺をしていました。その母親に代わって、狛治が恋雪の看病をすることになり、恋雪はすまなく思いますが、彼にとっては「誰かを守る」ということが嬉しかったのです。その上、慶蔵から武芸の稽古をつけてもらえることで狛治の心は次第に救われていきます。
数年後、狛治は慶蔵から娘の恋雪と結婚して自分の道場を継いでほしいと頼まれます。まさかの申し出に戸惑いながらも、罪人の自分が亡くなった父親が望んでいた「まっとうな人生」を生き直せるかもしれないと希望に胸を膨らませ、祝言前に父親の墓参りに出かけます。
そんな狛治にまたしても悲劇がふりかかり・・・墓参りから戻った彼を待っていたのは変わり果てた慶蔵と恋雪の遺体でした。二人は何としても慶蔵の道場を手に入れたかった隣町の道場の人間に毒殺されたのです。大切な二人の危機にそばにいることのできなかった狛治は絶望のあまり、憎い隣町の道場の人間を素手で皆殺しにします。
そこへ、鬼舞辻無惨が現れ、狛治を鬼に変えたのです。狛治は「猗窩座」になった後、「誰よりも強くなって恋雪を守る」という人間だった頃の記憶を失いますが、「誰よりも強くなる」という想いだけが残り、そのためだけに数百年も生き永らえます。
「猗窩座」は炭治郎と柱・冨岡義勇との戦いに負け、人間だった頃の記憶を取り戻し、自分の負けを潔く認めた。そんな彼を無惨は鬼に引き戻そうとするが、亡くなった父や慶蔵と恋雪が現れて心が浄化され、最期は人間だった「狛治」に戻って亡くなります。
すべてを失った鬼が強さにこだわっていたのは、愛する家族を守れなかった悲しい過去を忘れるためのものでした。
まとめ
「鬼滅の刃」の登場人物は主人公や鬼滅隊、鬼に至るまでそれぞれの背景に物語があります。
「猗窩座」のように愛する家族を守れなかった悲しい過去から強さにこだわる鬼、
気持ちの行き違いから親を殺して鬼になっても家族愛に飢えている鬼、
親の愛を知らず貧困の中で犯罪に走る兄妹、
弟への嫉妬から鬼になった兄、
非道な鬼も人間だった頃があった・・・
最期の瞬間に鬼に情けをかけてあげる主人公の炭治郎のやさしさが心にしみます。
テレビアニメ版は劇場版の前までなので、続きが読みたい方は、原作漫画をご覧ください。
劇場版「鬼滅の刃」の続きは、原作漫画第8巻途中からです。
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※本ページの情報は2022年10月時点のものです
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