菅モネ妄想小説の今回は菅モネ熱愛スクープ編。お天気お姉さんの百音が先生とのデート現場をマスコミにスクープされ、周囲からは二人の交際を反対されますが、百音は拒否。持ち前のクソ度胸でひとりで会見に臨み、先生も途中参戦して二人でマスコミを撃退します。
交際中の菅モネの現場をスクープされたら?
おかえりモネ妄想小説、今回は「お天気お姉さんの熱愛スクープ!菅モネ最強会見で撃退」編。
登米専従直前に遠距離恋愛が不安になった百音に大丈夫だと優しく包み込んだ先生ですが二人の仲を揺るがす新たな不安材料が。それはマスコミ!人気のお天気お姉さん・百音がある日、先生とのデート現場をスクープされ、下品に捏造された記事が週刊誌に掲載され二人の交際に赤信号が!別れるつもりのない二人は共同会見で、先生の論破&百音の惚気で報道陣を撃退します。
おかモネ妄想|お天気お姉さんの熱愛スクープ!菅モネ最強会見で撃退
「今後、何を投げられても、あなたが投げるものなら僕は全部取ります」
菅波の登米専従が近づき遠距離恋愛が始まる直前、不安がる百音を優しく包み込んだ言葉が試される時がやってきた。
それは二人にとって突然、思いもかけない形で・・・
百音が『朝キラッ』中継キャスターデビューから1年目の秋。
前任のメインキャスター・朝岡はダンディーで主婦層に圧倒的な人気があったが、その後を引き継いだファッショナブルな莉子・内田は若者層に圧倒的な人気があり、さらにパペットをコミカルに操る清楚な百音は子供からお年寄りまで幅広い人気を集めた。
ファッショナブルだが、気象予報士としての知識や情報量も他局を圧倒する莉子・内田・百音トリオの人気は上昇する一方で、それぞれに熱狂的なファンがついていた。
華やかな女子アナがタレント並みに人気を集めることは珍しくないが、お天気キャスターとしては異例のこと。3人を起用したJテレ担当者 高村とWE社 朝岡の番組戦略は見事に成功した。
学生時代から注目を集めることに慣れている莉子やモデル経験のある内田はともかく、田舎育ちの百音は注目されることに慣れていなかった。気象情報を発信することでみんなの役に立ちたい、危険回避できる事前情報を告知することでみんなを守りたい、そのための手段として、お天気お姉さんを担っているだけのこと。気象予報を発信する人間として恥じない行動は心掛けているけれど、自分はあくまでもいち会社員としての認識だ。決してアイドルでもタレントでもない。
仕事も大切だけれど、恋人の菅波との時間も大切にしたい、どこにでもいる普通の22歳の女性。
その日、登米夢想では一冊の週刊誌を前にみんなが蜂の巣をつついたような大騒ぎとなっていた。
「目隠しついてるけど、これ先生とモネちゃんじゃない?」
「先生も有名人になっだなぁ~」
「おいおい、感心してる場合じゃねぇべ」
「おはようございます!皆さん、どうされたんですか?」
「菅波先生、大変なこどに・・・」
「え?」
出勤したばかりの菅波の腕を佐々木がガシツとつかみ、椎の実へと引っ張っていく。
菅波には何のことかさっぱりわからず眉を顰めている。
「先生と永浦さんのこどが載ってるよ」
机に置かれた週刊誌「ザ・スクープ」の見開きページには、二人の手つなぎ写真や百音がホテルから出た出勤風景などの盗撮写真が下品な見出しタイトルと共に掲載されていた。
「な、何ですか、この記事は・・・」
***
センセイと禁断の課外授業!朝キラッ!美人お天気お姉さん・永浦百音&年上エリートイケメン外科医との光源氏愛発覚!
清楚な笑顔が若い男性に大人気のお天気お姉さんはパペットも年上の恋人も上手に操るようだ。
お相手はJテレ近くの大学病院呼吸器外科に所属するS医師(30)。
現在は登米診療所に専従医師として勤務しているが、二人の出会いは永浦が併設の森林組合職員として勤務していた4年前。
当時、彼女は高校を卒業したばかりの18歳。S医師は俳優並みのルックスと長身のモデル体型の超イケメン。
二人は就業後の課外授業を続け、ロリコンのS医師はあたかも光源氏のごとく未成年の永浦に予報士の試験勉強だけでなく男女の手ほどきも行い、自分好みの女性に育て上げた。二人の仲はその当時から周知の事実であったという。
人気お天気お姉さんとなった永浦に今もS医師は上京するたびに都内の高級ホテルで愛の課外授業を行っているという。S医師は大学病院で将来を嘱望される有能なエリート外科医。
我らの癒しのモネちゃんはお天気も男性を見る目も確かなようだ・・・
週刊誌には、面白おかしく二人の記事が捏造されている。
「誰がこんな無責任な記事を・・・」
菅波はひと通り目を通すと、苛立ちから週刊誌を机に叩きつける。
「ひどいよね・・・何よ、これ、光源氏愛って。よぐもこんな嘘っパチ書けたもんだ。ふだりがそうじゃなかったこど、みんなが知ってるのに」と佐々木が憤慨すれば、川久保も「そうだべ、気にするこどはねぇ」と声をかける。
「先生が誰よりもモネのこと大切にしてくれているこど、私は知っていますよ」
サヤカの声に合わせて、居合わせたみんなが「そうだべ!そうだべ!」と憤慨する。
菅波の携帯に百音から着信が入り、即座に出る。
「もしもし、百音さん・・・」
「先生・・・」
百音は涙声で、かなり滅入っているようだ。
「もしかして週刊誌の件で電話くれたの?」
「・・・はい、ご迷惑おかけして申し訳ありません」
「あなたは大丈夫?」
「私は平気です・・・でも、まさかあんなひどい記事が出るなんて・・・先生のこと、あんなふうに書くなんて許せない。私、悔しくて・・・」
「僕のことは気にしなくていい・・・登米のみなさんに鍛えられていますから。それより、あなたの方が心配だ。会社からは何か言われた?」
「今から話をすることになっています」
***
百音と入れ替わりに中村からも着信が入る。
「もしもし、菅波先生!週刊誌見ましたよ。先生もやりますね!ハハハ」
相変わらず元気いっぱいの大声に眉を顰める。
「あの内容はほとんど嘘です」
「ほとんど、ってことは事実もあるんだ!」
「こんな時に揶揄わないでください」
「ハハ、ごめん!ごめん!その対応でこれから東京へ戻ってきてください。代わりの医師はそちらに向かっていますので」
***
登米夢想を出ようとした時、見かけない30代の男性が菅波を呼び止める。
「菅波先生ですか?」
「そうですが」
「なるほど、噂通りのイケメンですね」
その瞬間、菅波にカメラを向けてフラッシュを浴びせる。
「何なんですか、あなたは!いきなり写真なんか撮って、失礼にも程がある」
男性は名刺を差し出し、
「週刊スクープの藤堂と言います」
「あなたがあの下品な記事を・・・よくもあれだけ無責任な嘘が書けるもんですね」
菅波が冷たい視線を投げかけても藤堂はニヤニヤと下品な笑いを浮かべ、
「あり得ない真実とありそうな嘘、どちらを大衆は信じると思います?無責任な嘘でもほんの少し真実を混ぜれば信憑性が出てくる。それを事実がどうか判断するのは個人の自由でしょ」
「僕にはない発想です。それで誰かを傷つけても平気なんですか?」
「これも仕事なので」
「一生懸命に頑張っている彼女を傷つけることは許さない。僕は全力であの人を守る」
「また面白い記事が書けそうです」
「僕を見くびらない方がいいですよ」
「脅しですか?」
「本気です」
菅波はこの上なく冷たい視線で射すくめると藤堂は一瞬ひるんだ。
SNSでは週刊スクープの記事を鵜吞みにした視聴者から、百音への誹謗メールが数多く届いていた。
「お天気お姉さんはブランドのお医者さんが好きなんですね。失望しました
「清純ぶってロリコン男と援交してたなんて朝の番組にふさわしくない」
「モネちゃんに恋人がいるなんてショックすぎる」
ひどい・・・
先生のことロリコンだなんて・・・
登米での先生との大切な思い出をこんなことで汚されたくない。
私は先生だから好きになったのに・・・
百音がSNSをチェックしているとパソコンの電源が突然パチッと落ちる。
莉子がわざと落としたのだ。
「モネ、こういうの気にしない方がいいよ。私も前にやられたし」
「僕もスーちゃんとのスクープ撮られた時にやられたけど、ここまでひどくなかったな。菅波先生に対するやっかみもあるんだと思うけど」
「内田さん、それ、慰めになっていませんけど・・・」
莉子が内田をチラッと睨む。
***
「永浦さん、ちょっといいですか?」
「はい」
朝岡に呼ばれ、百音は会議室へと入ると、そこにはJテレの高村も同席していた。
「この度は私のプライベートでご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「それにしても派手に書かれたわね。ああいう三流雑誌は面白おかしく煽って売れればいいと思っているから質が悪いわ」
「どうして、私なんかの恋愛にみんなが興味を持つのかわかりません」
「甘いわね、あなたもがテレビに出ている人間だからじゃない」
「私はタレントではなく、気象予報士です」
タレント呼ばわりされて納得いかない百音が声を荒げると朝岡がそれを諫めるように
「もちろん、永浦さんは予報士です。タレントではない。しかし、我々の仕事は正しい気象情報を一人でも多くの人に伝えて、危険回避したり、日々の暮らしに役立ててもらうこと。あなたには社を代表してテレビに出てもらっています」
「私もそのつもりです」
「信頼できる人間の情報は正しいと信用する人が多いものです。だからテレビに出る以上は信頼できる人間としての自覚を持つべきだと私は思います」
「私は・・・そうでないと?」
「私達はあなたが誠実で信頼できる人であることを知っています。なぜなら普段のあなたを見ているから。けれど、視聴者は短い放送時間の中であなたを判断する。その判断材料として、プライベートが関わることもあります。不本意かもしれませんが。」
「もう少しキャリアを積めば別だけど、現在のあなたでは、恋人の存在はマイナスになるわね。もちろん、菅波先生は立派な人なのはわかっている」
「先生は悪くありません」
「はっきり言うわ。今は別れた方がいい。なら、今回の件は守ってあげる」
「朝岡さんはどうお考えですか?」
「あなた達がきちんと交際していることは知っていますが、この騒動が収まるまでしばらくは距離を置いた方がいいと思います。いつまでというのは言えませんがね」
高村と朝岡の言いたいこともわかる。
でも、先生と別れることなんて絶対にできない。
百音は軽く呼吸を整えて、朝岡と高村の方を向いてはっきりと告げる。
「嫌です。私は先生とは絶対に別れません」
「それで中継キャスターを降りることになってもいいの?」
「はい。先生は私にいつも厳しいけれど正しいことを教えてくれました。今の私があるのは先生のおかげで、私にとっては大切な存在です。私たちはいい加減な気持ちで付き合っていません。自分の心を偽って先生と別れたら、私は自分自身を信頼できません」
WE社を出たところで、百音は報道陣に取り囲まれ、ひとりで囲み取材を受ける羽目になる。
「永浦さん、年上の恋人がいるというのは本当ですか?」
「はい、本当です。今日で交際1年目になります」
「登米時代からではないんですか?」
「東京で再会してからです。彼は未成年に手を出すような人ではありません。もともと人と関わるのが苦手で初めはこんな顔をして登米に来ていました」
百音が菅波のチベスナ顔を真似すると報道陣から笑いが起こる。
「医者だからいろいろプレゼントももらったんでしょう?」
「それ、どうしても言わないといけませんか?本当は私だけの秘密にしたいんですけど・・・」
報道陣から「やっぱり」とざわめきが起きる。
「未成年の頃から、そんな貴重なプレゼントをもらっていたんですか?」
百音は頬を染めて、嬉しそうに頷く。
「はい。初めての誕生プレゼントは、理科の教科書。翌年のクリスマスには縄跳び。気象予報士の試験を受けるのに助かりました」
報道陣からはクスクスと笑いが起こる。
***
いつの間にか百音の会見を離れた場所から見ていた中村と朝岡が呆れたように菅波を見る。
菅波は言い訳のようにつぶやく。
「いや、あの頃は恋人ではなかったので・・・」
「菅波先生、幾らなんでも若い女性のプレゼントとしてはセンスなさすぎです」
「菅波先生らしいといえばらしいですが・・・」
クスッと笑う朝岡を見て菅波は不機嫌そうに眉を顰める。
***
百音の取材はなかなか終わらない。
「交際するようになってからはセレブなデートとかしてるんでしょう?」
「セレブってよくわかりませんが、私たちはコインランドリーで洗濯の合間に近くのお蕎麦屋さんやサメ展に行ったりです。先生の解説は本当に面白くて、今からでもプロの解説者になればいいのに、って思います」
「大学病院のドクターじゃなくてもサメの解説者でもいいんですか?」
「もちろんです」
ニコニコと受け答えする百音にひとりの男性記者が突っ込んでくる。
「それは嘘でしょう。彼氏、もうアラサーでしょ。あなたみたいな若い女性がアラサー男性と付き合うのは大学病院のドクターだからじゃないんですか」
「違います!私は先生だから・・・」
「ほら、やはり先生だからじゃないですか」
勝ち誇ったように男性記者がにやりと笑う。
「彼女はそんな人ではありません!」
「せ、先生・・・」
先程から百音の会見を見ていて我慢できなった菅波が中村の制止を振り切り、百音と報道陣の前に現れる。
「確かに大学病院の医者だからという理由で、中には言い寄ってくる人もいます。ですが、彼女は男性を肩書で選ぶような人ではありません。ちゃんとその人の本質を見て接することのできる人です。そんな彼女をバカにするような言い方はやめていただきたい」
「あなたが永浦さんの恋人ですか?」
「菅波と言います。永浦さんとまじめなお付き合いをさせていただいています」
報道陣からどよめきが起こるや否や、菅波目掛けてフラッシュがバシバシとたかれる。
***
「ああ、菅波先生・・・まずいですよ」
「この場で菅波先生が出てくるとは予想外です」
「話がややこしくならなければいいですが・・・」
「とにかく、今は見守るしかないですね」
中村と朝岡が困惑した表情で二人の会見を見守る。
報道陣の前に、結婚会見でもなのに、カップルで取材を受けるような形になった百音と菅波。
「先生・・・」
「大丈夫、僕に任せて」
菅波が報道陣に向かって話し始める。
「あなた達の報道は間違っている。何のエビデンスもとらずに、面白おかしく煽っているだけです。いささかプロ意識に欠けていると思いますが。毎朝正しい気象情報を届けようと真摯に努力する彼女の方が余程プロ意識があると思います」
「登米で永浦さんが働いていた時、本当に恋愛感情はなかったんですか?」
「まず僕はロリコンではありません。それにまだ高校を出たばかりの彼女に手を出したとして、僕にどんなメリットがあります?未成年に手を出したと犯罪者まがいの目で見られ、大学病院における僕の外科医としてのキャリアはそこで終わってしまう。僕にもそれくらいの分別はあります。それに予報士の合格率は5%の難関。中学の理科の知識すらなかった彼女が無防備も予報士を目指すなら、まずすべきことは、恋愛ではなくこれまで疎かにしていた理科の基礎からです。とにかく彼女の学力は僕の想像をこはるかに超えていましたからね。あ、悪い意味でですよ」
「先生、ちょっと言い過ぎです」
思わず百音はムッとして頬を膨らます。
「だから、僕からの最初のプレゼントは理科の教科書です。それに・・・」
いちいち、論理だててまくしたてるように説明する菅波に報道陣は呆然とする。
ひとつ質問すると菅波から即座に反論され、論破されてしまうため、報道陣は次第に疲弊してくる。
まずい相手にかかってしまった、と取材に行かされた記者達は後悔した。
「やっぱり先生はスゴイです!」
尊敬のまなざしで菅波を見る百音に若い女性記者が個人的興味で尋ねる。
「先生のどこが好きなんですか?」
「えーっと、すべてです。誠実で優しいところ。真摯にお医者様という仕事に向き合っているところは尊敬しています。それと、猫毛でいつもどこかが飛び跳ねてるところ、普段はしかめっ面が多いけれど、笑ったらエクボができるところ、飛んでくるものを受け取れないところとか・・・年上だけど、可愛いんです」
百音がその女性記者に向かって不安そうに
「あの私、何かおかしなこと言ってます?」
「いえ、誠実な答えでいいと思います」
「なら、良かった!あ、それと、青のチェックシャツが誰よりも似合って素敵なところ、これは外せません」
百音が得意げに答えると、今度は報道陣に大爆笑される。
菅波は照れて、大きな手で口元を覆い俯いてしまう。
先程の女性記者が真剣な表情で
「本当に彼のことが好きなんですね」
百音が笑顔で答える。
「はい、大好きです。時々厳しいけれど、いつも正しい方向に導いてくれる先生は、私にはなくはならない大切な存在です。先生がいなければ今の私はありません。こんな素敵な人が同じ思いでいてくれる。私には感謝しかないです」
「私もそんな恋がしたくなりました!永浦さんがうらやましいです」
ブランドの医者でなく、一人の人間として彼を尊敬して愛している彼女の気持ちが伝わったからである。
***
報道陣が立ち去り、緊張の糸が切れて崩れ落ちそうになる百音を菅波が素早く抱きかかえる
「よく頑張りましたね」
「私、絶対に先生と別れたくありません」
「僕もですよ。絶対にあなたを手放すつもりなんかありません。約束したでしょ。あなたが投げる物なら僕は全部取るって」
そう言って百音の頭を優しく撫でる。
そこへ中村と朝岡がやって来る。
朝岡が二人にねぎらう。
「永浦さんも菅波先生もお疲れさまでした」
「それにしてもモネちゃんの天然は最強でしたね。もう腹の皮がよじれるほど笑いました」
中村が目に涙を浮かべて笑う。
「それに菅波先生もなかなかでしたね。僕の制止を振り切って行った時はどうなるかと思いましたが、先生の論破は報道陣まで撃退するとは!さすがですよ」
中村が豪快に笑い、菅波の肩を思い切りバシバシと叩く。
***
中村と百音が二人で盛り上がっている中、少し距離を置いて菅波が二人を見ている。
朝岡が菅波の傍にやって来て、
「実は、この会見前に高村さんも交えて永浦さんと話をしたんです。彼女には結構きついことも言いました。菅波先生と別れた方がいいのでは、とも提案もしました」
「え?」
「彼女、なんて答えたと思います?」
「永浦さんは何と?」
「菅波先生と別れるのは絶対に嫌だと。先生あっての自分だから・・・あなたと別れたら、自分自身信用できる人間でなくなるから、絶対に別れないと」
「永浦さんがそんなことを?」
「ええ。だから、今回のことは彼女に任せることにしたんです」
百音の自分への揺るぎない想いを聞いて菅波は彼女への愛しさで心が溢れそうになる。
その後、百音と菅波の熱愛報道はピタリと収まった。
取材内容の信憑性を菅波に徹底的に論破され、百音と菅波は再度の記事を作ってまで報道する相手ではないと判断したためである
報道陣の欲しかったのはお天気お姉さんのゴシップネタで、面白おかしくもない二人の歴史は必要ない。百音と菅波の会見はお蔵入りになった。
さらに、週刊スクープには登米夢想の面々や中村が毎日順番交代で、交際前の菅波がいかに気が利かない男性であったかを大げさに電話してきた。
「あの先生は、華奢な永浦さんがひとりで大荷物を抱えて持っていても、荷物のひとつも持とうとしないんですよ」
「大雨で傘を忘れた永浦さんを無視して、自分一人で傘差して帰った薄情な人だべ」
「指導医としていうのも何ですが、いい年してあんなに気の利かない男が自分よりはるかに若いお天気お姉さんを彼女にできるはずがないですよ」
余りのしつこさにさすがの週刊スクープも根を上げた。
***
騒動が落ち着いた頃、再び百音が登米の菅波の部屋を訪ねる。
ソファに菅波と横並びで、肩に頭をもたれかかる百音の髪を優しく撫でながら、チベスナ顔でこぼす。
「あの当時、百音さんの荷物を持ってあげなかったことは悔やまれますが、その他のみなさんの発言については事実無根です。納得いきませんね」
百音が菅波の方を向き、上目遣いで可愛くほほ笑む。
「そんなこといいじゃありませんか。私達、恋人同士で付き合っているんですよね」
「そうですよ」
「恋人の特権で、先生の部屋でこんなこともできる。それで満足です」
菅波の首に腕を回し、軽くキスをする。
「嫌ですね」
「え?」
「僕はそれだけじゃ満足できないな」
そういって、百音をお姫様抱っこして寝室へと向かう。
▼おかえりモネ妄想小説をイッキ見できるまとめページはこちら▼
「おかえりモネ」妄想小説まとめ|菅モネのその後の話をつくってみた
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本ページの情報は2023年7月時点のものです
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まとめ
おかえりモネ妄想小説、今回は「お天気お姉さんの熱愛スクープ!菅モネ最強会見で撃退」編。
二人の熱愛デート現場を週刊誌にスクープされることで二人の絆が試されるお話でした。
何が何でも百音を守ろうとするモネ溺愛の先生と、恋愛にドライに見える百音もそう見えるだけで実は先生のことがむちゃくちゃ大切に想っているということを描いてみたかったのです。